このたび、令和3年5月23日に第18回日本免疫治療学会学術集会を担当させていただくことになりました。本学会は毎年2月に開催されておりましたが、新型コロナウイルス感染による影響を可能な限り回避するため、令和3年は例年より時期を遅らせ、5月に実施することになりました。私がこの原稿を書いている令和2年4月現在、国内外において新型コロナウイルス感染者数は日々増加しており、予断を許さない状況です。我が国では緊急事態宣言が発令され、多くの国民の日常生活や経済活動が制限されています。願わくは、本学会が開催される令和3年には、世界すべての国々や地域が新型コロナウイルスによるパンデミックを克服しており、一年延期された東京オリンピックと同様、本学会が我々の社会活動、研究活動の復興を象徴する学会となることを心より祈念しています。

 

 本学会はがんに対する免疫治療の研究を核として、基礎研究者と臨床医の両者が広く参画しています。近年のがん免疫療法はビックバン的な広がりを見せており、免疫チェックポイント阻害薬は多くのがん種において標準治療として承認され、CAR-T細胞を始めとする免疫細胞療法も積極的に開発されています。結果として、様々ながん種において診療ガイドラインが改訂され、実臨床におけるがん免疫療法の重要性が極めて高くなっています。しかし一方で、その有効性や安全性については未だ多くの課題が存在しており、奏効率の向上や優れたバイオマーカーの同定、有害事象の抑制などを目指して、国内外で数多くの最先端研究が進んでいます。是非とも本学会にて先生方の研究を情報発信していただき、また互いに広く情報交換することにより、がん免疫療法の発展に寄与できる学術集会にしたいと思います。

 

 また本学会では、がん免疫領域のみならず、自己免疫疾患や移植免疫、感染症など、広く免疫治療学についての発表をお願いしたいと思います。また、学会の活性化には若手の積極的な参加が不可欠です。是非とも多くの若手研究者の発表を期待しています。至らぬ点も多々あるかとは思いますが、参加者にとって有意義な学会になるよう精一杯努力させて頂く所存です。多くの方にご参加頂きますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。