平成31年2月23日に東京大学伊籐国際学術研究センターにおいて、第16回日本免疫治療学会学術集会が開催されます。
これまでの日本免疫治療学研究会は、平成15年に故江川滉二東京大学名誉教授により研究会として発足しましたが、本年1月に日本学術会議より学術会議協力学術研究団体に指定されたことを受け学会へと移行し、平成30年4月1日より一般社団法人日本免疫治療学会と名称が改まることとなりました。この記念すべきタイミングで、第16回日本免疫治療学会学術集会の会長を仰せつかったことは、大変名誉なことであると感じております。ただ同時に大きな責任に身の引き締まる思いでおります。安元公正理事長の号令のもと、新たな委員会の立ち上げや、理事、学会員の増員をはじめ、学会としての機能を充足させるべく活動を開始しております。また、これまで学術集会においてはがん免疫だけを対象に行っていましたが、安元理事長のご発案で今後は会員の裾野を拡げるべく、自己免疫疾患に対する抗体療法など、疾患の対象範囲を拡大していきたいと考えております。
昨今の免疫チェックポイント阻害剤を軸としたがんに対する免疫治療における進歩は目覚しく、様々ながん腫で有効性が確認され、その適応範囲も拡がってきています。一部のがん腫においては、免疫チェックポイント阻害剤同士の併用や、他の抗癌剤や放射線治療との併用による治療効果のさらなる改善も報告され、今後日常臨床への導入が期待されています。一方、免疫機構は極めて複雑であり、腫瘍免疫における詳細な作用機序は未解明の部分が多く、免疫チェックポイント阻害剤一つをとっても有効性を見極めるバイオマーカーは未だ同定されておらず、また無効な症例に対する治療法の開発はようやく始まったばかりと言えます。
今年の学術集会においては、腫瘍免疫だけでなく、幅広い免疫領域の専門家にもご参会いただき、基礎研究分野での融合を目指すとともに、基礎研究から臨床研究へと繋がる橋渡し研究の推進を目指していきたいと考えております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。 |