この度、一般社団法人日本臨床医療福祉学会の年次学術総会を平成28年9月1日(木)、2日(金)の両日、秋田市の秋田キャッスルホテルおよびアトリオンで開催する運びとなりました。
本学会は、チーム医療・福祉の重要性とともに神経疾患に対する国民や医療従事者の理解向上のため、平成14年に「日本神経疾患医療福祉従事者協議会」としてスタートしました。平成19年には医療・福祉に携わるすべての方々を対象として、「日本臨床福祉協議会」と改名し、平成25年、「一般社団法人日本臨床医療福祉学会」として正式に設立認可されました。
本学会は医療福祉に携わる多くの職種の方々の参加を得て、意見交換や議論を深めることにより、臨床医療・福祉の水準を高め、広く市民への啓発と普及に貢献し、併せて関係各種団体組織との連絡協議や提言を目的にしております。
医療、保健、介護、福祉業界は2025年に向けて、限られた医療介護資源を有効に活用し、地域で高度急性期からリハビリ在宅医療、介護など多種多様なニーズに対応する切れ目ない一連の総合的サービスを確保できる、シームレスなヘルスケアが求められています。特に平成26年6月25日に公布された地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備に関する法律(いわゆる医療介護総合確保推進法)では、医療介護の連携強化や、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保など、医療福祉の大いなる連携こそ、その肝であるとされております。これらはバラバラに展開されるのではなく相互に関連性を有し包括的・一体的に運用されるべきと考えられます。病床機能報告制度も動き始めました。そして何より効率的かつ質の高い医療提供体制を構築することを目的とした地域医療構想(ビジョン)も、平成28年3月を目指し都道府県で盛んに議論がなされております。
このように今、我々を取り巻く環境は大きく動いております。大きく変わりうる時代の波に翻弄されないためには、お互いの組織のアイデンティをしっかり確立し、さらに連携すべき組織と強い絆で結びあうことこそ必要で、なおかつ顔の見える関係構築こそ最重要なことであろうと考えます。
今回、日本臨床医療福祉学会を東北地方で初めて秋田市で開催することになりました。秋田県は少子高齢化が全国一進んでいる県であり、様々の問題点が内在しております当地で開催される本学会は、職種を超えて様々の業種の方々から有意義な提言を全国に向けて発信できると信じております。長寿社会を国民全員が心から祝える、そして安心して生活できる環境を整えることが出来るよう、本学会がその礎になりますよう衷心より念願いたしております。
第14回日本臨床医療福祉学会大会長挨拶
秋田緑ヶ丘病院 統括顧問
坂本 哲也