大会長挨拶
この度、日本産業ストレス学会の第26回大会長を仰せつかり、2018年11月30日(金)~12月1日(土)の2日間の日程で、学術総合センター・一橋講堂を会場として開催することになりました。
日本産業ストレス学会は、産業ストレスに関する研究の推進、現場における対策の普及、情報提供および関係者の交流の場として1993年に設立されました。学会設立後、約4半世紀の間に、経済のグローバル化、急速な技術革新、労働雇用形態の多様化が進み、働く人の心のストレスと健康を巡る環境も大きく変化しています。特に、近年、政府において「働き方改革」が喫緊の課題として取り上げられ、「働き方改革実現会議」が設置され、さまざまな議題について議論が交わされています。
そこで今回は「働き方の未来と産業ストレス」をテーマに掲げました。これからの日本の経済の変化、人口動態の変化、技術の進歩は、労働者の働き方の未来に大きく影響を与えると考えられます。それには希望的なものだけでなく、心のストレスや健康をおびやかすものも含まれるでしょう。働き方の変化により生じる健康問題を予測し、予防や適切な診療のあり方、個人の支援や組織作りの方法を考えることは産業保健、人事労務などに関わる者にとって共通の課題であろうと思います。また、「働き方」の改革は「働かせ方」の改革でもあります。経営にとっても重要な課題と言えるでしょう。
第26回学会では、このようなテーマの元に、働く人の明るい未来と、健康と福祉の実現に向けて、日頃の研究や実践による知見が共有され、活発な議論が交わされることを期待しています。