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 今回、第20回日本産業ストレス学会を平成24年1月18~19日に千葉県市川市民文化会館にて開催をさせていただくこととなりました。参加される皆様にとって有意義な大会になりますよう千葉産業メンタルヘルス研究会が中心となり昨年12月より実行委員会を開催し、準備にあたっています。
 昨年、私共は未曾有の災害を経験いたしました。東日本大震災による死者・行方不明者は19,272人にも及び、地震後の巨大津波により家屋が崩壊、一瞬のうちに沿岸部を中心に地震及び津波による甚大な被害が発生しました。さらに2011年3月12日から起きた福島第一原子力発電所事故による放射能汚染、放射能被爆による影響も加わり、深刻な状況が続いています。東北地方を中心に少なくとも2,386人の就業者が死亡しており、この亡くなった就業者は、死亡者、行方不明者全体の12.4%であり、沿岸部を中心とした地域は、貴重な多くの働き手を失ったことになります。
 また我が国においては毎年3万人を超える方が自殺で死亡しており、大きな問題となっています。国を始め関係各機関が自殺予防に向けた取り組みを行っていますが、平成10年以降、この状態が続いております。労働者健康状況調査(平成19年)によると、「仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスがあるとする労働者」の割合は約6割にも上り、また、「過去1年間にメンタルヘルス上の理由により連続1か月以上休業又退職した労働者がいる事業場」の割合は約7.8%、精神障害等による労災請求件数は、平成17年度656件から平成21年度1,136件、労災支給決定件数は平成17年度127件から平成21年度の234件へと増加しています。事業者が民事上の損害賠償責任を問われる事例もあり、労働者のメンタルヘルス不調は、企業経営のリスク要因として見逃せない問題であるという認識が定着してきています。そして、うつ病などのメンタルヘルス不調に伴う社会的損失は実に2兆7千億円(国立社会保障・人口問題研究所推計)にのぼると推計されています。
 全労働者に義務付けるストレスチェック(精神的健康の状況を把握するための検査)と面接指導の制度(労働安全衛生法の改正案)が、2011年12月2日に閣議決定され、第179回臨時国会に提出されました。さらに同年12月26日には基発1226第1号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」が発出され、労働者のメンタルヘルスも大きく変わろうとしています。
第20回大会の基本テーマは「心の再生 ~震災対応、法改正対応、リワーク~」ですが、それぞれの基本テーマのシンポジウム、欧州産業・組織心理学会の理事長であるエラスムス大学Arnold B. Bakker教授の特別講演をはじめ、多くの先生方の講演を予定しております。皆さまのご支援とご参加を心よりお願い申し上げます。平成25年1月18日(金)に市川市民文化会館にて皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

第20 回日本産業ストレス学会 会長 黒木宣夫
(千葉産業メンタルヘルス研究会会長)
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