伝統ある日本臨床ウイルス学会の第59回学術集会を、2018年6月9日(土)、10日(日)の両日、埼玉県さいたま市で開催させていただきますことを誠に光栄と存じます。開催準備にあたりましては学会幹事およびプログラム委員を始めとする多くの先生方より多大のご尽力ならびにご支援をいただいております。
本学会は私の恩師である故・中尾 亨名誉教授(第3回学術集会会長)が北海道大学小児科から青森県立中央病院小児科に赴任された際に当地で流行するウイルス感染症の病態解明のために東北大学の石田名香雄先生(第1回、第6回会長)、日沼頼夫先生(第23回会長)らと組織された「臨床ウイルス談話会」を母体とするものと承っております。中尾先生はその後、札幌医大小児科に赴任され私どもは常に臨床を意識したウイルス研究をご指導いただくこととなりました。
第59回学術集会のメインテーマは、「臨床ウイルス学の現代的課題―次世代に語り継ぐべきもの」といたしました。プログラムにつきましては、特別講演(札幌医大小児科の臨床ウイルス研究(仮題))、教育講演(ロタウイルス研究の過去・現在・未来(仮題)、ウイルス肝炎の予防と治療)、そしてシンポジウム(新興・再興ウイルス感染症の流行状況と対策、医学・医療におけるウイルス感染症の教育・研究・診療の現状と課題、ウイルス感染症根絶の過去、現在、そして未来)を、それぞれの分野の第一人者の先生方にご企画・講演いただく予定でおります。また、多くの一般演題の応募をいただき、この中から若手奨励賞を選出いたしますので、「次世代」の若手研究者の皆様は奮ってご参加下さるようお願いいたします。
本学会は多くの偉大な先人研究者の業績に踏まえて今日に至っております。時代や研究手段は変化しても臨床ウイルス学研究の根本的な理念にはいささかの変遷も無いものと信じております。今回は、このような視点から臨床ウイルス学を見つめなおし、研究継続の重要性を改めて確認できる学会にできればと思います。開催時期は関東の例年の梅雨入りの時期と重なりますが、多くの皆様のご参加で熱のこもったご討論をいただき、有意義な学術集会となることを祈念いたします。皆様のお越しをさいたま大宮で心よりお待ち申し上げます。何卒宜しくお願いいたします。 |