伝統ある日本嚥下医学会の第34回総会ならびに学術講演会を2011年2月4日(金)・5日(土)に主催させていただくことに
なり大変光栄に存じます。このような大役をお任せいただきました学会役員、会員の諸先生方に厚く御礼申し上げます。
本学会は嚥下研究会時代に第17回研究会を私の同級生である伊藤裕之先生が担当したのが東京慈恵会医科大学耳鼻
咽喉科教室としては初めてです。箱根の湯元温泉で開催致し、深夜におよぶ議論がなされたのが懐かしく思い出されま
す。その後日本嚥下医学会と改称され、今回特別講演をお願いしている井上聖啓先生(元東京慈恵会医科大学神経内科
教授)が2007年に第30回大会を担当しました。今回で東京慈恵会医科大学として3回目となります。会場も以前の第30回
大会を行った大学1号館3階講堂で行います。
昨今嚥下は大きく注目されています。特に高齢化が進む日本では高齢者の嚥下性肺炎が問題となっていて、これまで
の学会でもしばしば取り上げられてきました。まだまだ検討しなければ成らないテーマです。社会環境や医療経済など取
り巻く環境も影響していると感じています。頭頸部癌術後の嚥下機能も検討が必要です。このように嚥下障害患者の治療
は多くの研究課題を残しています。これまで耳鼻咽喉科医は嚥下機能の解明と手術治療に重点を置いてきましたが、嚥
下リハビリテーションなどでは多くの他科の先生方や言語聴覚士、看護師を中心とした医療スタッフと共にチーム医療で
取り組まなくてはならない分野だと思います。この学会にもさらに多くの他科の先生方に参加していただき、嚥下をもっと
広い視野から検討してゆかなければならないと共に若い先生方にも興味を持っていただきたいと考えています。藤島一郎
新理事長のご提案もあり一般講演終了後にセミナーを行い、若い先生方や他科の先生方が嚥下に対して興味を持ってい
ただけるような内容にしたいと考えています。
皆様のあたたかいご支援を賜わり、多くの会員の方々のご参加をいただき、実りある学術集会となるよう教室員一同準
備しておりますので皆様の参加を心からお待ちしております。 |