ご参加への御礼

　このたび第47回肺癌診断会および画像診断セミナーを2024年3月22日から23日の日程で新横浜プリンスホテルにて開催させて頂きました。
　2020年以降コロナ禍により約4年間中断していました本会ですが、開催見合わせとなっていた期間中にもオンライン開催という選択肢を検討したものの、やはり”face to face”による対面形式での講義および議論する経験に勝るものではないとのこだわりをもってこれまで開催を延期したうえでの今回の現地開催となりました。開催前は「現地開催にして本当に来てくれるのだろうか…」と不安でいっぱいでしたが、当日は若手の先生を中心に58名の方にご参加頂きました。この場を借りて深く感謝します。
　本会は1974年の第0回を始めとして約50年間続いている肺癌診断に特化したセミナーであり、特に“寺子屋式”と銘打った講師と参加者の距離の近い読影演習を特徴とした他に類を見ない特殊なセミナーであります。今回、現地開催をさせて頂いて、改めて“寺子屋式”読影演習の可能性を強く感じました。何故先達がこの方式にこだわって続けてきたのか少し理解できた気がしています。当時の胸部単純写真読影は今のようにモニター読影ではなく、シャーカステンに掲げたフィルムでの読影であったと思いますが、読影方法がフィルムからモニターを用いた読影方法に代わっても画像診断のキモ（本質）は変わることはなく、それは読影演習講師の画像診断に対する熱意が直接参加の方々へ伝わる“寺子屋式”読影演習でこそ、充分に伝えることのできる方法なのではないかと感じました。
　このような他に類を見ないセミナーを続けていくためにも、ご参加頂きました方々には同僚の方、後輩の方に「肺癌診断会、良かったよー。」と一言お伝え頂けますと嬉しいです。その一言がこの先60年、70年と本会を続けていく原動力となると確信しています。
　この度はご参加頂き誠にありがとうございました。今回のセミナー参加で得られた知見を毎日の臨床現場で役立てられることと想像しています。皆様の益々のご活躍を祈念しております。

神奈川県立がんセンター呼吸器内科
近藤 哲郎